フォルシア、ゼロ・エミッション・バレー(ZEV)プロジェクト向け 大容量水素貯蔵システムの提供へ

サステイナビリティ
Faurecia, Clean Mobility, Zero emission

*当リリースは、6月20日にフォルシアがフランスで発表した英文リリースの抄訳です

 

  • ゼロ・エミッション・バレー」はフランスでの商用車両向けの再生可能な水素モビリティ最先端プロジェクト
  • 2024年までに1,200台の車両と20カ所の充填ステーションを配備
  • このプロジェクトはEUの共同出資を受け、ミシュラン、エンジー、オーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏およびそのパートナー各社がアンピュルシオン社を通じて運営
     

FORVIA(フォルヴィア)グループ傘下のフォルシア(Faurecia)はAir Flow社との協業のもと、アンピュルシオン社のプロジェクトであるZEVの補給ステーションに向けた大容量水素貯蔵タンクの提供契約を受注しました。

ZEVプロジェクトの目的は2024年末までに燃料電池車両1,200台と水素ステーション20カ所(このうち複数ステーションには、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーから水素を製造できる電解槽の設備を含む)の投入です。アンピュルシオン社はアデム、シネア両社の支援を受け、オーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏および民間セクターのエンジー、ミシュラン、クレディ・アグリコル、バンク・デ・テリトワールの4企業・団体による共同ベンチャーです。ヨーロッパの他地域にも拡大できる収益モデルを立ち上げるとともに、同地域圏がフランスの水素モビリティの先駆者的な位置付けを獲得し、欧州初のカーボンニュートラル地域のひとつになることをめざしています。国際輸送リース企業であるAir Flow社が大容量水素貯蔵タンクの所有者となり、アンピュルシオン社に貸し出す予定です。

Air Flow社はZEVプロジェクトの正式な展開に必要な水素輸送・貯蔵用設備に対して約900万ユーロの投資を予定しています。今回のプロジェクトはオーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏の経済活動の脱炭素化における大きな一歩であるとともに、フォルシアおよびAir Flowを主要企業とするフランスの水素セクターにとって素晴らしい成功を象徴しています。    

フォルシアは高度な気体貯蔵システム技術とその工業化ノウハウを活用し、貯蔵容量を拡大した大型軽量タンクをカスタマイズして提供します。この軽量貯蔵システムでは輸送時に要する燃料使用量が抑えられるため、CO2排出量の削減にもつながります。 

フォルシアの大容量水素貯蔵システムがこのプロジェクトの鍵を握っています。フォルシアの水素貯蔵タンクにより、燃料水素車両に補給するための補給ステーション、親ステーションおよび子ステーション間での輸送と貯蔵が実現します。

当社の大容量水素貯蔵システムはアウクスブルク(ドイツ)およびバヴァン(フランス)のフォルシア研究開発拠点で共同開発が進んでおり、タンクの納入開始は2023年半ばを予定しています。今回の受注は、フォルシアが水素の流通・貯蔵ソリューションを通じて水素バリューチェーンにおける主要なステークホルダーになるという目標に向けた一歩です。

 

フォルシア・クリーンモビリティのエグゼクティブバイスプレジデント、オリヴィエ・ルフェーヴルのコメント:
「フォルシアは、ゼロ・エミッション・バレーという、フランス初となる再生可能な水素を燃料とする商用車両向けモビリティプロジェクトに参画できることを誇りに思います。このプロジェクトを通じてフォルシアは、モビリティと自動車産業の脱炭素化という目標にゆるぎなく取り組みます。過去4年でフォルシアは2億7300万ユーロを超える水素事業への投資を実施し、顧客各社および水素エコシステムから評価いただける専門技術を開発してきました。Air Flow社の信用の証である今回の新規受注により、フォルシアは水素貯蔵ソリューション提供者としてのリーダーの地位を今日、確実なものとしました。」

 

アンピュルシオン社社長、ティエリ・ラヴェルのコメント: 
「アンピュルシオンはオーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏で20カ所のグリーン水素補給ステーションの製造ならびに流通網の資金調達、設計および運営を目的に設立されました。この流通網は大型、小型いずれの車両にも供給が可能です。水素製造3拠点と補給ステーション20カ所を結ぶ輸送に不可欠である、移動可能な気体貯蔵システムの専門技術を持つフォルシアを選定しました。今回の契約はバリューチェーン全体を通じたフランスの水素産業の卓越性を明示しています。オーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏に強く根付いている水素産業により、フランス全土の脱炭素化、渓谷地域および都市部における大気クリーン化、移転に至ることのない雇用の創出を実現し、フランスのエネルギー主権を強化します。」

 

Air Flow社CEO、ピエール・フィアットのコメント:
「Air Flowのチームはフォルシアおよびアンピュルシオンとの協業を非常に嬉しく思います。Air Flowは約20年にわたり水素事業に関する投資を実施するなかで、水素の貯蔵・輸送用設備のリース、メンテナンスならびにデジタル化における確かな実績を積み上げてきました。アンピュルシオン、フォルシア両社の成長戦略を支えるパートナーとして選定されたことをとても誇らしく感じています。」

 

フォルシアについて
フォルヴィアグループ傘下のフォルシアは、グローバル・オートモティブ・テクノロジー・リーダーです。世界33カ国に257の事業所と39の開発拠点を持ち、110,000人の従業員を擁しています。自動車用シート、インテリア、クラリオンエレクトロニクス、そしてクリーンモビリティの4つの事業分野を通じて事業を展開しています。2021年度のグループ売上高は156億ユーロでした。フォルシアはユーロネクスト・パリ証券取引所に上場し、CAC NEXT 20構成銘柄に名を連ねています。www.faurecia.com

フォルヴィアについて
フォルヴィアは、フォルシアとヘラーの技術および生産上の強みを補完し合うことで構成されています。世界40カ国以上に300以上の工場と77のR&Dセンターを持ち、35,000人以上のエンジニアを含む15万人の従業員を擁するフォルヴィアは、現在および将来の自動車産業の課題に対して独自の包括的なアプローチを提供しています。6つのビジネスグループと24の製品ライン、そして14,000件以上の特許を有する強力なIPポートフォリオで構成され、世界のカーメーカー各社からイノベーションおよび統合のパートナーとして選ばれることに注力しています。フォルヴィアは、モビリティの変革を予見し、実現することを約束するチェンジメーカーとなることをめざしています。

フォルシアの水素ビジョン
自動車業界に対する排気ガス削減への社会的・政治的要求は、かつてないほど高まっています。世界中で厳しい新規制が施行され、電動車の需要が絶えず増加している中、フォルシアはサステイナブル・モビリティを戦略的優先事項として掲げています。水素燃料モビリティは急速に普及しており、フォルシアはその産業化と大規模な市場化を支援するパートナーのエコシステムの中心的存在となっています。フォルシアは、乗用車、商用車、物流、産業など、様々な用途に適応する水素ソリューションを開発するための、今後10年にわたる明確なロードマップを有しています。フォルシアグループは、ミシュランとの合弁会社であるシンビオの燃料電池スタックシステムと、フォルシアの水素貯蔵システムで、水素パワートレインの価値の75%を占めています。水素燃料モビリティの世界的リーダーになることをめざし、2030年までに売上高35億ユーロを目標としています。フォルシアは2050年までに製品の使用段階を含むCO2総排出量において、CO2ニュートラルとなることをめざします。

Air Flowについて
Air Flowは気体輸送用設備のリースおよび管理事業において約20年の専門性を誇るフランスの企業です。家族経営の同社は水素の貯蔵・輸送用設備のリース事業で欧州におけるリーダーです。また、極低温気体貯蔵の分野でも活発な事業展開をしており、アントワープ、ヒューストン、シンガポール、アルへシラスの4拠点を通じて国際的にも存在感を発揮しています。約40名の従業員を擁し、年間売り上げは約2000万ユーロです。同社はフランス公的投資銀行(BPI)より、成長が大きく期待できる企業の一社に選ばれました。さらに第一回BPIアクセラレータプログラムに選出されたほか、成長中企業のネットワークである「BPIエクセレンス」の一員でもあります。www.airflow.fr/en/

アンピュルシオンについて
アンピュルシオンは欧州連合ならびにアデムが支援するゼロ・エミッション・バレー(ZEV)プロジェクトを通じ、大型および小型車両向け水素モビリティの展開を目的に設立された営利企業です。アンピュルシオンの株主はオーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏、エンジー、ミシュラン、クレディ・アグリコルのサントル・フランス、サントル・エスト、デ・サヴォワ、ロワール・オート・ロワール、シュッド・ローヌ・アルプの各地域金庫ならびにバンク・デ・テリトワールで、2024年末までに再生可能水素補給ステーション20カ所と電解槽3基の建設および運営を担います。hympulsion.com

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