エア・リキードとフォルシアが大型トラック向け水素事業拡大のための開発合意を発表

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Faurecia News release

*当リリースは、10月12日にフランスでフォルシアがエア・リキード社と発表した英文共同リリースの抄訳です

 

エア・リキードとフォルシアは本日、自動車産業向け車載水素貯蔵システムの設計および製造に関する共同開発合意をしたことを発表しました。この技術的パートナーシップを通じ、両社は大型トラックのゼロエミッション・モビリティの普及を加速させます。


長距離移動の用途に特に適した燃料電池車(FCV)向け液体水素貯蔵テクノロジーは、カーボンニュートラルへの取り組みの加速において重要な役割を果たします。この液体水素テクノロジーにより、貯蔵できる水素の量が水素ガスと比べて2倍になります。これにより、液体水素を燃料とする大型トラックは水素ガスと比較して航続距離が倍増し、燃料補給にかかる時間の短縮および積載量の最適化などのメリットが享受できます。

今回のパートナーシップでは、このテクノロジーの製品化を加速する基礎となる両社それぞれの基幹的事業と専門技能を互いに補完し合い、活用して参ります。エア・リキードは超低温技術、貯蔵技術、燃料補給インターフェースおよびインフラストラクチャー関連ノウハウを含む、液体水素バリューチェーン全般にわたる、広く評価されてきた専門性で貢献します。一方、フォルシアはOEMとの強固な連携に加え、自動車試験やシミュレーションで認められている技能、全世界での自動車産業ノウハウと製造設備、基本設計概念とシステム統合に関する知見を発揮します。


エア・リキード会長兼最高経営責任者(CEO)、ブノワ・ポチエコメント


「水素分野では、機運が高まるとともに世界中で関心が集まっています。このような背景のもと、水素の潜在能力を引き出すために数多くの業界セクター関係者が協力し合う中、エア・リキードはフォルシアという世界をリードする企業とのパートナーシップにより、水素の利用が特に適している大型トラック市場に注力した水素モビリティの開発を加速させていきます。エア・リキードのイノベーション能力と専門性で、水素バリューチェーン全体の水素エコシステムの開発に貢献します。エア・リキードの持続可能性目標と足並みを揃え、私たちのアンビションは低炭素社会への移行に積極的に貢献していくことです。


フォルシア最高経営責任者(CEO)、パトリック・コラーコメント


「今回のパートナーシップは、水素分野でクラス最高のパートナーであるエア・リキードと共に歩む道のりにおける最初のマイルストーンです。お互いを補完し合う水素のスペシャリストである両社が力を合わせることで、大型車両のモビリティに向け、市場投入に要する時間を迅速化した最先端の液体水素貯蔵テクノロジーの開発が可能になるでしょう。」

2030年までに燃料電池車の生産台数は250万台となり、そのうち20%がトラック車種という予測もあります。長時間稼働を特徴とする大型トラックは、2030年までにモビリティ市場における水素使用量の60%近くを占める可能性があります。


エア・リキードについて

産業と健康に技術とサービスで貢献するガス事業の世界的リーダーとして、エア・リキードは全世界78カ国で約64,500人の従業員を擁し、380万以上のお客様と患者の皆様にサービスを提供しています。酸素、窒素、そして水素は、生命、物質、エネルギーに欠かせない小分子であり、エア・リキードの科学領域を具現化するものとして、1902年の創業以来、当社の研究領域と事業活動の中心なってきました。
エア・リキードのアンビションは、気候変動とエネルギー転換への力強いコミットメントが中心となる戦略でガス産業をリードし、長期的パフォーマンスを維持し、持続可能性に寄与することです。お客様を中心に据えた変革を戦略として実行し、長期にわたる利益ある、統制の取れた、責任ある成長をめざします。卓越したオペレーション、選択的な投資、オープンイノベーション、全世界にまたがるグループのネットワーク組織によりこれを達成します。社員のコミットメントとイノベーションにより、エネルギーと環境の転換、ヘルスケアの進展、デジタル変革を捉え、全てのステークホルダーにより大きな価値をもたらします。2020年の売上は200億ユーロです。エア・リキードは、ユーロネクスト・パリ(A 部)に上場されており、CAC40ならびにEURO STOXX 50指数およびFTSE4Good Indexの構成銘柄です。さらに詳しい情報は、当社ウェブサイトwww.airliquide.comをご覧ください。


エア・リキードの水素技術へのコミットメント

当グループは、2015年のパリ協定を全面的に支持し、気候変動やエネルギー移行などの差し迫った問題に取り組んでおり、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目標にしています。水素分野のパイオニアとして、エア・リキードは水素が新エネルギーへの移行の土台であると確信しています。過去50年でエア・リキードはサプライチェーン全体の水素製造から貯蔵、流通までを管理できる独自の専門技術の開発に取り組んできました。その結果、産業向けやクリーンモビリティなど幅広い用途におけるクリーンエネルギーとしての水素の普及に貢献しています。
当グループは、2035年までに低炭素水素のバリューチェーンに約80億ユーロを投資、2030年までに電気分解の能力を合計3GWに増強など、複数の目標を掲げています。


フォルシアについて

フォルシアは1997年に誕生し、自動車業界において世界的なメジャープレイヤーとなるまでに成長しました。世界35カ国に266の事業所と39の開発拠点を持ち、114,000人の従業員を擁しています。自動車用シート、インテリアシステム、クラリオンエレクトロニクス、そしてクリーンモビリティの4つの事業分野で世界をけん引しています。コックピット・オブ・ザ・フューチャーとサステイナブル・モビリティという成長戦略を元に技術の開発に注力しています。2020年度のグループ売上高は147億ユーロでした。フォルシアはユーロネクスト・パリ証券取引所に上場し、CAC NEXT 20構成銘柄に名を連ねています。詳しい情報は、www.faurecia.comをご覧ください。


フォルシアの水素ビジョン

自動車産業では、排出量削減への強い社会的および政治的なプレッシャーが、かつてないほど高まっています。世界中で新しく課せられる厳しい規制や、電動車への需要も増加の一途を辿る中、フォルシアは「サステイナブル・モビリティ」を戦略的優先事項に位置付けています。
水素モビリティの実現に向けた動きは急速に活性化しており、中でもフォルシアは水素モビリティの産業化と大規模での適用をサポートするパートナー各社と共にエコシステムを築き上げる中心的な存在です。またフォルシアはこの先10年にわたって乗用車、バスやトラックといった商用車、物流、各種産業そしてその他の様々な利用ケースに対応する水素ソリューション開発の明確なロードマップを作成しました。ミシュラングループとの合弁会社シンビオ(Symbio)の燃料電池スタックシステムと水素貯蔵システムで、水素燃料電池のパワートレインの75%をフォルシアグループが占めています。フォルシアは2030年までに水素モビリティの世界的リーダーとなり、35億ユーロの売り上げ達成を目標としています。
2050年までには、フォルシア製品の使用フェーズも含めたCO2の総排出量をニュートラル化することを目標に掲げています。